脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
「どちら様って。あなたこそどちら様ですか? まさか流川直人の浮気相手じゃないでしょうね?
ちょっと。なに笑ってんのっ。
え、アタシ? 流川直人の彼女かって?
そんなわけないでしょ。アタシはその友達。彼女は隣で泣きそうな顔してこっち見てるし。
てか、あなた理恵子でしょ? 分かってんだからっ。
流川直人の何なのっ?
……え? ……ええっ!?
あ、あはは。すみません。アタシてっきり流川直人の浮気相手かと……。
あ、ええ、ええ、はい。ちょっと待ってくださいね」
後半、急に声色が変わった麻紀は私に子機を差し出した。
「唯衣、替わってって」
「な、なに? てか誰なの?」
「流川直人の、お兄さんの、彼女だって」
「は? え?」
「はい、交代」
「こ、交代って……。なんで私が……」
「流川直人の彼女がいるなら話したいことあるから替わってってさ」
「え? なんでなんで?」
「いいから出てよ。アタシじゃ分かんないし。っていうかアンタも分かんないか。ま、いいから出て。はい」
「ちょちょちょちょっと!」
麻紀に子機を押しつけられた私は、
仕方なく耳にあてた。
「も、もしもし……?」
『もしもし? 直人くんの彼女さん?』
「は、はい。そうですけど……」
『今の子、お友達? まさかオンナの子からかかってくるとは思わなかったからびっくりしたぁ。スゴイ勢いだし』
「はあ……。あ、すみません。変な友達で。その、突然電話しちゃって。えっと……」
『いいのいいの。それより、直人くんの彼女さんなら話は聞いてるよね?』
「?」
顔の見えない相手に首をかしげた私。
話ってなんのことだろ?
っていうか、
流川にお兄ちゃんがいることだって初めて知ったんだけど。