脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
「もう1本飲むかな」
カラダを起こした流川。
緊張が解けて、ひとまずほっとした私。
「持ってくる?」
「いや、いい」
立ち上がった流川は、冷蔵庫からビールを取りだして窓際に立った。
けど。
缶をにぎったまま、じっと窓の外の明かりを見ているだけで。
部屋に、静けさが広がった。
流川の目は、ずっとずっと遠くを見ているようで。
寂しそうに見えたから?
遠くに行っちゃうように感じたから?
どっちなのか……自分でもよく分からないけれど。
「……流川……」
立ちあがった私は、ぎゅっと後ろから抱きついた。
「なんだ、どうした?」
「……」
「……お前も飲むか、ビール」
「……いらない。苦いから」
「飲ませねーけどな。後の始末が大変だし」
「流川……」
「ん?」
「……海外、行っちゃうの?」
腕を離した私は、
ポケットから理恵子さんの番号が書かれているメモ用紙を取り出してつぶやいた。