脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
*「ありがとな」
☆*:・°★*:・°
★*:・°
「ホントに行っちゃうのかな……」
搭乗手続きをしている流川をロビーで待ちながら、私はため息をついた。
「なんか……現実味がないんだよね」
出発日を聞いたのが一昨日で。
慌ただしくしている流川をぼんやり眺めていたらもう今日で。
「……い」
「……」
「おい」
「……あ、おかえり」
……。おかえりって。
これから行く人を前にしておかえりって。
「なんだよ、ぼうっとして」
「終わったの? 手続き」
「ああ」
「そっか……。やっぱり、現実なんだ」
「ん?」
「ううん。なんでも。……みんな楽しそうだね」
「……だな」
私たちみたいに、今日から冬休みに入る学生も多いんだろうな。
ロビーには、同年代のグループやカップルもたくさんいて。
みんな、上機嫌で。
「呪いたい……」
「暗いぞ、お前の周りだけ」
「だってさ、」
ホントなら今ごろ、ワクワクしながら色んな予定を立ててたはずなのに。
「あの……」
「ん?」
「……なんでもない」
ここまで来て、言えないや。
寂しいなんて。
……行かないで、なんて。