脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
*泥棒がサンタクロース?
☆*:・°★*:・°
★*:・°
「何なのこれ~~」
飛び出したのはいいけれど。
「もうこんなに積もったの?」
道路は5センチくらいの真っ白い雪でおおわれていた。
「ううう~、うれしいけどうれしくない~~」
足を踏み出すたびに舞い上がる白い雪。
さらさらのパウダースノー。
本当なら「うわ~い」とはしゃぎまわりたいけれど。
「それどころじゃない……」
痛い足を持ち上げて無理やり走っている私には障害物。
容赦なくまとわりつく空からの雪も、目の前をかすめさせて邪魔だった。
だけど、この雪が幸いしたのも事実。
「このぉ……泥棒めっ。逃げたってムダだぞっ」
マンションから続いている足跡は、ひとつしかない。
これをたどっていけば、確実につかまえられるはず。
でも……、足跡は明るい大通りのほうじゃなくて、住宅街のほうへ続いている。
歩道に漏れる明かりがだんだんと乏しくなってきて、私は少し、ビビり始めていた。
「逆につかまえられたらどうしよう……」
そんなことを考えたら、コートも着ずに出てきてしまったカラダがぶるっと震えたけれど。
「あっ」
目を凝らした数メートル先に、立ち止まっている人影が見えて。
「い、いた! 泥棒」
追いついたうれしさにテンションが上がった。