脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
「どうしたの? 光太くん。香穂ちゃんまで……」
「お兄ちゃんに呼ばれたんです」
「へ?」
「オレも。流川さんが帰ってきてるって聞いて、いてもたってもいられなくなって。すみません……」
「ええ?」
オネエマンが呼んだ?
「流川、なにこれ?」
助けを求めるように見上げた流川の顔には、困ったような笑顔が張り付いていて。
「クリスマスのやり直しだってよ」
「やり直し?」
「お前が寂しがってるんじゃねーかって」
「私が?」
「パーティ開くわよとか言って勝手に準備されてたんだよ」
「……そ、なの?」
さすがオネエマン……。
有無を言わせない、このごり押し……。
「っていうか……」
オネエマンのほうを振りむくと、
何よ、ってな顔でしらんぷりしてる。
少々強引だけど……優しいとこあるんだ。
なんてちょっと感動していると。
「唯衣? 何だかにぎやかだけどどうしたの?」
「唯衣ちゃ~ん、ひとりで寂しかったでしょ~?」
「麻紀……、祐二くんまで……」
「あれ? なにこれ。全員集合?
なんだー、てっきり唯衣がひとりで寂しがってると思ってきてやったのに……っていうか、流川直人?! 何アンタ、帰って来てたの?!」
「……だからなんでフルネーム呼びなんだよ。しかもアンタはねーだろ。一応先輩だぞ」
「……」
いつかみたいに大勢が揃ってしまったリビングを眺めて立ち尽くしている私に、
「ま、たまにはいいだろ。にぎやかなのも」
ぽりぽり。
指先であごをかいた流川が苦笑した。