脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
「あ、ありがと」
「こういう大勢のパーティっていうのもいいですよね」
「え?」
「仲間っていいなぁとかって、ちょっと思いません?」
「うん。そうだね」
ひとりぼっちのクリスマスを思い出した私は、香穂ちゃんの言葉に深くうなずいた。
流川と2人きりにもなりたいけど……、
こうして集まってくれるみんながいることが素直にウレシイ。
私が寂しい想いをしてると思ってみんな集まってくれたんだもんね。
「よし。今日はおもいっきり美味しいもの作ってやろっと」
腕まくりをして気合いを入れた私は、
ソファから心配そうにこっちを見ている流川にVサインをした。
――大丈夫だよ、流川。
「ちょっと! ちんちくりん、早くビール持ってきなさいって!」
そんな私と流川の様子を目ざとくキャッチしたオネエマンが、ヤキモチをやいて吠えている。
「はいはいはい、今持っていきますから」
「こうやって見ると、お兄ちゃんってお化けみたいですね」
「ぶ。さっきなんてね、ベランダから登場したんだよ。スゴイ顔で」
「ベランダから? 信じらんない」
「どうしてだか分かんないんだけどね。聞けてないうちにこんな状態になっちゃったから」
「ふーん」
「あ、そうだ、香穂ちゃん。カエル、帰ってきたよ」
「そうですか。良かったです。カエルくん、キレイになってましたよね?」
「うん」
流川の隣に陣取っているカエルも、嬉しそうに笑っている。
料理を終えた私が反対側の隣に座ると、
「じゃ、もう1回乾杯しましょ。かんぱーい!」
オネエマンがグラスを掲げて。
「「かんぱーい♪」」
みんなで持ち上げたグラスが、カチンと陽気な音を立てた。