脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
「こうしてても仕方ねーな。片づけるぞ」
「え?」
「よく見ると壁が吹っ飛んだっていうだけで燃えてるわけじゃねーみてぇだし。
着替えとか必要だろ。中に入って集めるぞ。それから……」
「それから?」
「あの塀にかかってる水玉模様の、あれ、お前のだろ」
「え゛?」
パンツ……、気づいてたのか流川。
そういえば流川が要くんのアパートに来た初日に洗われたのって、あのパンツだったよな。
覚えてたんだ……。
「お前は外に散らばったものを集めろ」
「う、うん」
「オレが中に入るから下から欲しいものを言え」
「は、はい」
「必要最低限のモノだぞ。おそらく大家が貸倉庫でもレンタルして、家具なんかはそこに預けてくれるようになるだろうからな」
「な、なるほど」
「それからそこの友達、アンタもオレと一緒に中に来い」
「アタシ?」
「オレはコイツの持ち物の在りかがわかんねーからな。手伝ってくれ。
面白いからってベランダ側には近づくなよ。落ちても知らねーからな」
さすが流川。
テキパキと指示してもらって、私と麻紀はようやく動き出すことができた。
流川が来てくれなかったら、私たち、朝までぼんやりしてたかもしれない。