脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+

「こうしてても仕方ねーな。片づけるぞ」


「え?」


「よく見ると壁が吹っ飛んだっていうだけで燃えてるわけじゃねーみてぇだし。
着替えとか必要だろ。中に入って集めるぞ。それから……」


「それから?」


「あの塀にかかってる水玉模様の、あれ、お前のだろ」


「え゛?」



パンツ……、気づいてたのか流川。


そういえば流川が要くんのアパートに来た初日に洗われたのって、あのパンツだったよな。


覚えてたんだ……。



「お前は外に散らばったものを集めろ」


「う、うん」


「オレが中に入るから下から欲しいものを言え」


「は、はい」


「必要最低限のモノだぞ。おそらく大家が貸倉庫でもレンタルして、家具なんかはそこに預けてくれるようになるだろうからな」


「な、なるほど」


「それからそこの友達、アンタもオレと一緒に中に来い」


「アタシ?」


「オレはコイツの持ち物の在りかがわかんねーからな。手伝ってくれ。
面白いからってベランダ側には近づくなよ。落ちても知らねーからな」



さすが流川。


テキパキと指示してもらって、私と麻紀はようやく動き出すことができた。


流川が来てくれなかったら、私たち、朝までぼんやりしてたかもしれない。


< 34 / 404 >

この作品をシェア

pagetop