脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
「……忘れてた……」
あんな場所まで吹っ飛んでたんだ……カエル。
さっきは全然見えなかったけど、
どうやら今の突風で姿を現したらしい。
まるで助けを求めるように、ぶらさがった両手を風にあわせて振っている姿は……
あ……あわれ……。
「置いてくのか、カエル」
「いやいやいや、連れてく」
木の枝から流川に救出してもらったカエルは、ところどころまだらに黒くすすけてしまっていて、
なんだか……ガマガエルみたいになってる。
でも赤い口を大きく開けて笑う顔は嬉しそうに見えて、
やっぱりカエルを置いていくわけにはいかなかった。
「デカいからな、コイツ。お前も入れて2人分のイソウロウか」
「すみません……」
「タダじゃイソウロウさせないからな」
「へ?」
「部屋を貸す代わりに、お前は毎日メシを作ること。洗濯をすること。掃除をすること。わかったな?」
「……わかった」
なんだかまた……レンタル関係復活みたいな言い方だなぁ。
「行くぞ」
「あ、待って」
カエルを肩にかけて、荷物を3つ持ってくれた流川のあと。
何気に重いバッグを1こ持って、追いかけた。
(今夜からまた……流川と2人っきりなんだ)
緊張するけど、でも、やっぱりそばにいれるのはウレシイや。
流川の背中を見ながら私は、ちょっとだけ浮足立っていた。
このあと、
2個目、3個目の仰天事件が待ってるとも思わずに。
…(--〆)