脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+

流川のお父さんは、今年の秋口から会社の海外支社に出張中で、


当分帰ってこれる見込みがないってことで、お母さんも向こうで一緒に暮らし始めたらしい。



元々はもちろん、流川自身もここで生活はしていたけれど、


大学進学を機に一人暮らしを始めたみたいで。



流川の話によれば、マンションのこの部屋が空っぽになるんなら、


アパートで一人暮らしをしようがこのマンションで暮らそうが同じことだからって最近になって戻ってきたらしく。



「そうだったんだ。びっくりしたぁ」


「別に驚くようなことでもねーだろ」


「驚くよぉ。アパートだと思ってたのに、こんな……」



立派なマンションに連れてこられてさ。


何事かと思うじゃん。


それにしても……。



「キレイな部屋だよねぇ。毎日こんな夜景が見れるって、いいねぇ、流川」


「まあな」


「いいな、いいなぁ」


「まあ……そのうちここも……」


「え?」


「いや、なんでも」



何かを言いかけた流川だったけれど、


話を聞いてすっかり安心してしまった私は、カエルを抱いて窓際に移動した。



「ひゃ~~、ホントにキレイ」



まるで宝石箱。


なんか、お姫さまになった気分なんですけど。



これからここで暮らすってことは、


私も毎日この夜景を見れるってことだよね?


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