脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
昨日から、すっごい疲れてる。
「はあ~、帰ったら流川のご飯作んなきゃ」
「大変ね、アンタも」
「仕方ないよ。私は部屋を借りて、流川は私を借りて、みたいな関係だから」
「変な関係だよねアンタたち。始まりからさ」
「ホントに」
麻紀とふたり、タイムカードを押して外に出ると、
「唯衣さんっ!」
バイトの後輩で大学1年生、広瀬光太(ヒロセコウタ)が私と麻紀のあとをあわてて追いかけてきた。
「光太くん?」
振り向いて首をかしげると、
「なに? また唯衣に告白?」
麻紀が茶化した。
「何度言ったらわかんのよ、アンタは。唯衣には流川直人っていう酒豪のイケメンがついてるんだってば」
「ちょっと麻紀ってば……」
「今日で何回目? あきらめの悪いオトコね」
「今日は違いますっ!」
大声で否定の言葉を発しているこのオトコの子に、
実は私、1ヵ月前に告白されていて。
今日までに……、そうだな、たぶん10回以上。
バイトがある日はほとんど告白されてる計算。
多すぎ。
そのたびにちゃんと断ってるんだけど、
どういうわけかものすごく好きになってくれちゃってて。
「違うなら、何なのよ」
腕を組んであきれる麻紀が聞くと、
「唯衣さん、バイト中ずっと元気がなかったから何かあったのかなって心配で……」
流川よりも10センチくらい低い身長を縮こませて私を見た。