脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
「心配してくれたんだ?」
「はい……」
「ありがと。でも大丈夫だから」
「ホントですか?」
「うん」
「流川直人とちょっと大変なだけだよね、唯衣」
「あ、こら……麻紀っ」
火に油を注ぐような発言をするなってば。
光太くんが心配するじゃん、私のこと。
「大変って何ですか?!」
ほらぁ、始まっちゃったよ……。
この間なんか、
目がかゆくてこすってただけなのにいきなりハンカチ差し出されて慰められたんだから。
「なんにもないから。大丈夫だから」
「彼氏とうまくいってないんですか? もしかして暴力を振るわれてるとか!?」
「いやいやいや、違うから」
まあ、暴力的なドSと言えなくもないけど。流川の場合。
「オレ、さっきちょっと聞いちゃったんです、唯衣さんたちの話」
「え?」
「引きずり出されたとかなんとかって……。彼氏にやられたんですか!?」
「あ、あのね、違う……」
「送らせてくださいっ!」
「は?」
「その彼氏に、オレが一言モノ申します!」
「……いや、いいから」
私たちのやりとりを少し離れて見ていた麻紀は、
「そうしてもらいなよ、唯衣」
おもしろそうに笑ってて。
「なに言いだすのよ……アンタ」
「送ってもらいなよ。そしてついでに流川直人の顔でも見せてやりなよ。さすがにあきらめつくんじゃない?」
「……なるほど」
納得した私も私だけれど。
「お供します!」
その勢いに負けて、光太くんを連れてマンションへ戻った。