脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
テーブルにコーヒーを運んでいくと、
光太くんと留美の妹は頭をさげてソファに座った。
「すごくいい部屋ですね、ここ」
流川に一言モノ申すことをすっかり忘れているふうの光太くんは、
部屋を見渡しながら目を輝かせている。
「夜景もキレイだし。いいですね」
オネエマンの妹もコーヒーを一口すすってうなずいた。
「あ、それより……お兄ちゃんが押し掛けちゃってすみません。
でもお兄ちゃんがここに来たってことは……その……流川さんのことが好きってことですか?」
両手でカップをはさんで、複雑な表情を浮かべている。
「え?! お兄ちゃんが流川さんのことを好きって何なんですか?
もしかして流川さん、唯衣さんって人がいながら、オトコまで相手してるってことですか!?」
話が見えていない光太くんは、立ち上がって流川をにらんでいる。
「だから何なんだよ、お前は」
足を組んだ流川は、そんな光太くんをあきれて見ていた。
「あのね、光太くんは知らなくていいの。
あと……わかった? これが私の彼氏。流川」
かっこいいでしょ?
……と言いそうになってあわてて口を押さえた。
見せびらかしに連れてきたみたいで、光太くんに悪いし。
実際そうでもあるんだけど。
なのに。
「かっこいいですね彼氏さん」
むくれながらも認めてる光太くん。
「うん、ホントにかっこいい」
オネエマンの妹も、ふわんとした顔でつぶやいた。
な、なんだこれ。
流川を褒められるのはウレシイけど、それはそれで複雑だな……。
お似合いとかなんとか……
ひとこと言ったらどうなの? え? ふたりとも。