脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
「ねぇ流川、ホントに探せるの?」
「たぶんな。オレの予想が正しければ」
念のため、と言ってマンション近くの公園に足を運んだ流川。
そこに留美の姿はなかった。
「いねぇな」
「そんな簡単に見つかるわけないよぉ」
流川は駅方面へ歩いていく。
「どこ行くの?」
「アイツの部屋がある駅」
「え? 留美んち?」
「ああ」
電車に乗って5駅目。
まるで目的地があるみたいにスタスタと歩いていく流川のあとを、
私は小走りでついていった。
「オネエマンの部屋に行くの? てか無理じゃない? いるわけなくない?」
留美の部屋にはお父さんとお母さんがまだいるはずだもん。
ケンカして出てきちゃったオネエマンがそこに帰るはずもないし。
「部屋には戻ってないだろうな」
「じゃあ、どこ行くの?」
「まあ、ついてこい。そこにいなかったら、次に探すのは少々苦労すると思うけどな」
電車を降りてから15分くらい歩いて、
マンションやアパートが立ち並ぶ住宅街の一角に来ると、
小さな公園の入り口が見えた。
公園内の街灯は消えている。
暗くてはっきりとは見えないけれど、
建物の明かりが敷地内にわずかに入り込んでいて、
薄明かりにひっそりと照らし出されていた。