脱!? レンタルな関係。+for happy X'mas!+
「なによ……アンタたち」
驚いた顔をしてるオネエマンの鼻からは、
鼻水がスーッと出ている。
さ、寒そう……。
だよね、コートも着ないで、しかもノースリーブの衣装のままなんだもん……。
「何してんだよ、こんなとこで。風邪ひくだろ、とりあえずこれを着ろ」
持ってきたオネエマンのコートを流川が差し出すと、
それを受け取った留美はおとなしく腕を通した。
ちょっと、ほっとした表情で。
その横顔に、なんとなくだけれど……涙のあとが見えた気がした。
「留美さん……どうしてこんなとこに?」
聞くと。
「ひとりになりたい時はね、公園か海って相場が決まってるのよ」
「……なるほど。てか古い……」
「は?」
「いや、なんでもありません」
流川の顔を見上げると、流川はふっと苦笑した。
すごいな流川。オネエマンの思考、読んでる。
でもどうしてこの公園だと思ったんだろ。
公園なんて、いっぱいあるのに。
「アンタ、部屋に戻ろうとしたんだな」
うつむいている留美に、流川が静かに声をかけた。
「……別に。そんなんじゃないわ」
「でも入れなかったんだろ? 出てきちまった手前」
「……」
「まあ、戻ってすぐに解決できるような問題でもないんだろうからな」
「どうせ分かってもらえないわ。あの人たちには」
両手を組んだオネエマンの肩が小さく震えて、
短いため息がふうっと漏れた。