Secret×Honey
◆◆◆
---------------
「宿泊学習の班決めろー」
6月
夏休みまであと一ヶ月半!と書かれた紙が風に揺れた。
あたしがここに転校してきてから約二週間が経った。
この学園では、二週間後に宿泊学習というものがあるらしい。
二泊三日で東京に行く。今はその班決め。
「美海」
名前を呼ばれて、窓から視線を戻すと光がいた。
そしてその後ろには、大人しそうな子と明るい笑顔の子が立っていた。
「紹介するね。真綾と千尋」
光の言葉で二人とも笑う。
あたしも自分なりの最高の笑顔で笑ってみせた。
明るい笑顔の子が千尋ちゃんで、大人しそうな子は真綾ちゃんといった。
光の友達だから、いい子なんだろうな。
「この4人で宿泊行かない?」
光の提案にあたし達は揃って頷いた。
まだ転校してきて時間が経ってないせいか、あたしが人見知りをしすぎるせいか、親しい友達は光だけだった。
その分、心を開けるくらい光とは仲良しになっていた。
「あたし、一回話してみたかったんだ♪」
「千尋ちゃんだよね?」
「うん!仲良くしてな」
「よろしくね」
千尋ちゃんは明るくて、すごく話しやすい子。
.