問題アリ(オカルトファンタジー)
*
「一つ聞いていいかな?」
静まり返った部屋の中で、フィンは一連の出来事を眺めていたソファから身体を起こして、テレジアと問いかけた。
テレジアはベッドの上でペタンと座り込んでは呆けていたが、フィンの声に『あぁ、私今この場所に居たんだ』と思い出したかのようにフィンへと目を向けた。
「何でしょう」
「初めから二人を殺すつもりだった?」
「だったら?」
「別に?…じゃ、バイバイ」
ニヤニヤと笑いながら、フィンはテレジアに手を翳す。
意味がわからないと言いたげな顔で答えたテレジアは、その意味に気付くと怯えたように身体を起こして逃げようと走り出した。
が、エレンの爪が数メートルと伸び、背中からテレジアを突き刺した。
「重罪の魂は、死神が引き取ることになっているのですよ」
「幽霊が人を殺すのは重罪なんだよね」
ニヤニヤと笑って、フィンはテレジアへと手を翳し直す。
途端にボロボロと崩れ、粉となったテレジアは丸い魂となって、紐で繋がれているかのように、フィンの元へと引き寄せられた。
「だ、騙したな…ッ!!」
「俺何も言ってないし」
そういってペロリとその魂を食べた。悲鳴と怒号が、フィンの身体の中へと消えていく。
恐ろしいまでの憎しみや怒り、殺意や絶望を混ぜた極上の甘美の味がする。
ニヤ、と笑みを漏らして、フィン。
「はー久しぶりにいい魂だ」
「恨み辛みのある地縛霊は基本的に引き取るだけなんじゃないのですか?怒られますわよ」
「引き取る=食う、だろ?食う前に自分好みに味付けして何が悪いんだよ」
「無駄に殺さない約束でしょう?」
エレンの鋭い指摘に、フィンは思い出したように浴槽方面へと目を向けて、ヘラッと笑った。
「一つ聞いていいかな?」
静まり返った部屋の中で、フィンは一連の出来事を眺めていたソファから身体を起こして、テレジアと問いかけた。
テレジアはベッドの上でペタンと座り込んでは呆けていたが、フィンの声に『あぁ、私今この場所に居たんだ』と思い出したかのようにフィンへと目を向けた。
「何でしょう」
「初めから二人を殺すつもりだった?」
「だったら?」
「別に?…じゃ、バイバイ」
ニヤニヤと笑いながら、フィンはテレジアに手を翳す。
意味がわからないと言いたげな顔で答えたテレジアは、その意味に気付くと怯えたように身体を起こして逃げようと走り出した。
が、エレンの爪が数メートルと伸び、背中からテレジアを突き刺した。
「重罪の魂は、死神が引き取ることになっているのですよ」
「幽霊が人を殺すのは重罪なんだよね」
ニヤニヤと笑って、フィンはテレジアへと手を翳し直す。
途端にボロボロと崩れ、粉となったテレジアは丸い魂となって、紐で繋がれているかのように、フィンの元へと引き寄せられた。
「だ、騙したな…ッ!!」
「俺何も言ってないし」
そういってペロリとその魂を食べた。悲鳴と怒号が、フィンの身体の中へと消えていく。
恐ろしいまでの憎しみや怒り、殺意や絶望を混ぜた極上の甘美の味がする。
ニヤ、と笑みを漏らして、フィン。
「はー久しぶりにいい魂だ」
「恨み辛みのある地縛霊は基本的に引き取るだけなんじゃないのですか?怒られますわよ」
「引き取る=食う、だろ?食う前に自分好みに味付けして何が悪いんだよ」
「無駄に殺さない約束でしょう?」
エレンの鋭い指摘に、フィンは思い出したように浴槽方面へと目を向けて、ヘラッと笑った。