問題アリ(オカルトファンタジー)


「手違いってやつだよ」



「ウソツキ、手違いで二人も殺すわけないでしょう。止めることも出来たというのに」



止めるわけがないけれど、と付け足しながらエレンのため息。


フィンは悪びれなく、その顔に笑みさえ漏らしながら教会でエレンが渡してくれた宝箱を取り出す。


エレンに調査を頼んだ時に最後に付け足した場所――ゴミ処理場――で拾われた、テレジアの私物である宝箱だ。


中には浴室で変わり果てた姿となっている男の生前の写真。時に盗撮まがいの物も出てきた。



「……あの女の話が何処まで真実かはわかりませんが…フィン様の予想通りですわね。…馬鹿馬鹿しい」



「そういうものだよ、人間なんて」



殆どが誰かと一緒に写っているが、マジックで塗りつぶされていて誰かはわからない。が、なんとなく、わかる。


ベッドの下に引きずりこまれた、あの女だろう。



「死んだ後も二人を殺したくて仕方なかったんだろうね」



「わかりませんわ。そこまで相手に依存する心というのは」



「俺にもわからないよ、そんなの。だけど他のはわかるなぁ」



「他?」




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