問題アリ(オカルトファンタジー)
フィンは立ち止まると、多少道らしく舗装されていた(雑草が生えていなかっただけの)、まだまっすぐ続く道を九十度に折れ、道など見当たらない雑草や枯れ枝、蔦の生い茂る獣道へと足を踏み入れた。
足元で雑草をどかすように踏みつけて、手元は顔面辺りを狙ってくる木の枝を避けるように、その枝の一つ一つを退かしていく。
まるでアトラクションのように、いやそれ以上に行く手を阻む人が殆ど入ってこない森。
普段から殆ど人の来ない、舗装されている道がただ単に雑草が生えていないだけの、その森の奥なのだからなんの手入れもされていない事は仕方ないと思うが。
段々と、フィンの眉が寄る。
そして。
自分の進行方向を誰かに教えるように人差し指で差せば、その指の先端が青白く光り、光の玉が形成される。
それがビー玉くらいの玉になり、野球の球くらいになり、最終的にバスケットボールくらいの大きさになった、換算すれば二秒程度後の、瞬間。
放たれたその光は目を覆うほどの閃光を発し、森をまっすぐに突き進むと、フィンの目の前にあった木や、雑草や、花や、大きめの石や、フィンの視界さえ届かないところにいた動物を騒音と共に消し飛ばした。
焼け焦げた、幹の半分を抉り取られた木は白い煙を放ち、焦げつくされた一本の道は、フィンの足元からずっと先が見えないほどに続いていた。
満足げな、顔。
足元には先ほどまであった雑草が一本もない。まるでフィンのために退いて道を開けたかのように。
歩きやすくなった焦げた道を、白いブーツで闊歩する。