問題アリ(オカルトファンタジー)
無理矢理作りかえられた仮面の奥で、まだ存在している本来の顔が蠢いて割れ目から覗きだしているこの違和感。
それ以前に人形が喋っていることさえも気味の悪いことだが、フィンには残念ながらそんな感情が皆無だったおかげで、人形が泣き止むまで泣かせてやった。
一通り泣いて、ピエロの人形はぽつりと「帰りたい」と呟いた。
「捨てられたのに?」
無遠慮に尋ねるフィン。
「エドガーは僕に言ったんだ、ずっと一緒にいようねって!」
「ふぅん。…聞かせてよ」
「うん……君は?」
「フィン。死神。俺なら助けられるかもしれないよ」
「フィンか……僕は、ラルフ」
含み笑いを浮かべながらフィンは先を促す。促されるままにラルフと名乗ったピエロの人形は自分のトモダチについてから、話し始めた。