問題アリ(オカルトファンタジー)
ラルフがエドガーの家に引き取られることになったのは今からおよそ十七年ほど前のこと。
当時エドガーは三歳ほどで、両親が動かすラルフに興味津々で、動くたびにキャッキャッと喜んでは、眠るときまで一緒にいた。
エドガーが六歳ほどになっても、エルフとは一緒に日々をすごし、その頃にはエドガーはエルフを自在に操ることができるようになっていたという。
その頃に『ずっと一緒にいよう』と言われたのだという。
だがしかし、年を重ねるごとに人形よりも面白い娯楽を見つけ、エドガーが十歳を迎える頃、ラルフには埃が被っていった。
ラルフの居場所も、エドガーのベッドの上から、棚の上になり、玄関先になり、最終的に物置となって。
ずっと一緒にいようと言われたのに、離れてしまったラルフはある日エドガーの傍に行きたいと、物置から出てエドガーの部屋へと戻った。
そして、エドガーの枕元に座ってその寝顔を眺めていたのだが、目を覚ましたエドガーの顔は恐怖に引きつり、叫び声を上げながら母親の元へ走ったという。
それからまた物置に戻され、エドガーの枕元に戻って、また戻される日々を暫く送り、エドガーは母親の元で眠るようになり、ラルフを避けるようになった。
そしてある日、エドガーの母親が森の奥深くにラルフを埋めてしまったのだ。
それからもう、十年。
エドガーはもう二十歳のはずだと、ラルフは言う。