問題アリ(オカルトファンタジー)




「人間ってさぁ、人間だった俺が言うのもなんだけど、ホント飽きない生き物だよな」



「あたしはもうウンザリですわ。助けて欲しい時だけ泣いて縋ってくるくせに、必要が無くなったらお参りにも来ない。薄情な連中です」



「互いの利害が一致した時だけ互いに利用しあう……いい関係だろ?」



ニィ、と意味ありげに笑いながら、一角に固めて放置しているゲームなどの暇潰しの娯楽へと目をやった。


フィンにとって人間界の娯楽は面白くなくて、ゲームも暫くすればすぐに飽きるのである。


ゲーム機器は電気信号の動きなどで全ての先が読めてしまうので、アクションゲームでのボタンのタイミングや、推理物での選択などがすぐにわかってしまうのだ。


なのでその攻略方法をネットでたまに教えてやると、何やらいろんな国で話題となり、一躍有名人となったが、それにも飽きて今では更新していない。


物凄く飽きやすい、熱しにくく冷めやすいタイプのフィンは暇を潰すのには手を焼くタイプの人間なのである。



「俺の暇を最高に面白くしてくれるものはまだかな」



二人は待っていた、迷える子羊を。


そう、この教会に祈りを捧げに来る人間を。


正し、ただの人間ではない。もう死んだ人間だ。


かくして、フィンの日常は続く。


今のところのフィンの生きがいはこの暇を潰してくれる玩具探しといったところである。


そして今宵もその候補がやってくる。フィンの暇潰しに利用されるとも知らずに。




フィンは地縛霊の未練解消を仕事としていた。




太陽が沈んだ頃、とある国にある暗い森の奥のそのまた奥では迷える子羊への道標のように蝋燭のオレンジの光が怪しげに浮かび上がる。


優しく誘い込むように。






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『妹思いの姉』

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