問題アリ(オカルトファンタジー)
一つの欠伸を漏らし、エドガーはまた枕に顔を押し付けて、大きく息を吐いた。
だがしかし、目を閉じても眠りに落ちない。
身体に不調があるわけではない。とても寝やすいというのに、すっきりと目覚めてしまった所為で次の睡眠に入りにくくなってしまったのである。
寝返りを打ち、暫くしてまた寝返りを打ち。
それでも眠れないエドガーは、微かにだるい頭を押さえながらキッチンで水でも飲もうと起き上がった。
暗い室内。
電気をつける必要などない。
勝手は二十年も住んできたお陰で目を閉じていてもわかっているくらいだ。
ベッドから降りて寝ぼけ眼でドアへと向かうとノブを掴んで、ドアを開けた。
暗い廊下に一歩足を踏み出すと、足先で何かを蹴り飛ばした。ふわりとした毛先が当たって、コロコロと転がる。
エドガーの顔に疑惑の表情が浮かぶ。
手探って、廊下の照明のスイッチを押して、先ほど蹴り飛ばした何かを確認する。
見当たらない。
ますます疑惑の表情が深くなる。
首を傾げて、それでも何かが出てくる気配などない。気のせいにしてはやけにリアルで、少し心に引っ掛かりを覚えながらも階段を下りようと足を伸ばした瞬間。