問題アリ(オカルトファンタジー)



エレンは口を挟もうと息を吸った。


エドガーはもう、ラルフを必要としていない、と。


瞬間。


フィンは恐ろしいほどに赤く冷たい眼光で鋭くエレンを睨み付けた。


『黙ってろ』と、言うように。


普段のフィンの目の色は金だが、感情により、特に激しく苛立っているときや不愉快なときは目が赤くなることがあった。


滅多に見せない、故に、恐ろしい、赤の目。


声を封じられたように何も言えなくなったどころか、呼吸さえ出来なくなったエレンは小さく震えた。


心臓と肺を一気に鷲掴まれたかのようなそんな窮屈感と、生命の危機を感じる。生々しい百パーセントの殺意は、想像以上に身体の自由を奪う。


フイ、とフィンが目をそらした瞬間、その威圧感は消え、呼吸は出来るようになったが、声を出すことは恐ろしくて出来ずにエレンは傍で縮こまってはその会話を聞いていた。







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