問題アリ(オカルトファンタジー)
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「だからどいつだっつってんだよ」



そこは戦慄していた。


フィンは今恐ろしく久しぶりに悪魔の巣窟である、とある洞窟へと来ていた。


死神と悪魔は似た種類、たとえばニホンザルとテナガザルのように、種は違えど、属性は同じだという見解が多い。


が。


実際はライオンとイルカ、人間と犬、というように哺乳綱で括られはするが、その他、科・属・種はまるで違う形のほうが正解である。


地位は死神の方が上だが、死神は下等とは殆ど交わることはない。


のだが。


フィンはその殆ど交わることのない下等の住処にやってきて、その悪魔の長に啖呵を切っていた。


悪魔たちは全員洞窟の端へとへばり付いて突然現れた死神界の長の一人に恐れ戦いている。


その姿と言うのは真っ黒の身体と赤い目、顔は豚に近いが目つきが悪い。背中にコウモリのような羽があるが二足歩行をし、人間のように指は五本あるが、足の甲はえらく長い、カンガルーのようだった。実際跳躍力もある。


腹が赤ん坊のように丸いが、その他は細く、腕などはへし折れそうなほどで身長は八十センチほどと低い。


それが一つの洞窟に数百と住んでいて、今は洞窟の壁にべたべたと引っ付いては出来るだけフィンの傍から離れようとしている。


エレンはそんな気味の悪い下等生物を睨み付けながらフィンの傍に人型になって仕えていた。



「……ヴァイルーン」



長に呼ばれた悪魔がガタガタと震えながら一歩前へと出て来た。


途端にフィンに睨まれて、ヴァイルーンは愚か、その後ろに居る悪魔たちも悲鳴を上げて震え上がった。



「お前がラルフの魂を人形に転生させたのか。何故だ、答えろ」




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