問題アリ(オカルトファンタジー)
*
「君さ、変わった服着てるね」
たった今殺人を犯したその男は化粧で作っている笑顔とは裏腹に静かな声でポツリとそんな言葉を漏らした。
赤い髪が、涼しい風に揺れて、返り血だらけの顔を覗かせる。その目は髪とは違って、涼しいというよりは冷たい青い目。
男はピエロの外見をしていた。
真っ白の顔に赤い口、赤い鼻。場違いなほど楽しそうな笑顔が上手に描かれている。
そんな彼の言葉が自分に言われたとは知らずに、木箱の上で腰をかけていたフィンは首を傾げたが、次の瞬間、彼の青い目が自分を見ていることに気づけば、両手を広げて自分の服を確認してからおずおずと自分を指差した。
ゆっくりと、男は頷く。
それにつられてポタ、と頬に掛かった血液が顎へと伝い、落ちた。
「見えんの?俺のこと」
「見えないものなの?君は」
「そのはずなんだけどな」
ふぅん、と呟きながら手に掛けた女が邪魔になったのかポイ、と捨てる、男。ゴス、と重々しい打音が響く。
首を傾げながらフィンは女の死体を眺めて口笛を吹いた。
一発で首の骨ごと切り裂き、うなじの皮膚一枚だけでつながった首は本来の場所と少しずれた所に頭を置いている状態だ。
何度か揺すれば頭の重さで皮膚が伸びて千切れるだろう。
気管などが綺麗に見える。何の迷いも無い、真っ直ぐの切り口。
「君さ、変わった服着てるね」
たった今殺人を犯したその男は化粧で作っている笑顔とは裏腹に静かな声でポツリとそんな言葉を漏らした。
赤い髪が、涼しい風に揺れて、返り血だらけの顔を覗かせる。その目は髪とは違って、涼しいというよりは冷たい青い目。
男はピエロの外見をしていた。
真っ白の顔に赤い口、赤い鼻。場違いなほど楽しそうな笑顔が上手に描かれている。
そんな彼の言葉が自分に言われたとは知らずに、木箱の上で腰をかけていたフィンは首を傾げたが、次の瞬間、彼の青い目が自分を見ていることに気づけば、両手を広げて自分の服を確認してからおずおずと自分を指差した。
ゆっくりと、男は頷く。
それにつられてポタ、と頬に掛かった血液が顎へと伝い、落ちた。
「見えんの?俺のこと」
「見えないものなの?君は」
「そのはずなんだけどな」
ふぅん、と呟きながら手に掛けた女が邪魔になったのかポイ、と捨てる、男。ゴス、と重々しい打音が響く。
首を傾げながらフィンは女の死体を眺めて口笛を吹いた。
一発で首の骨ごと切り裂き、うなじの皮膚一枚だけでつながった首は本来の場所と少しずれた所に頭を置いている状態だ。
何度か揺すれば頭の重さで皮膚が伸びて千切れるだろう。
気管などが綺麗に見える。何の迷いも無い、真っ直ぐの切り口。