問題アリ(オカルトファンタジー)
言って、エレンはピョンと降り立つと、パンケーキを食べ終わった子供たちの視界に入るように庭をぐるぐると歩き回った。
一人が「猫だー!」と騒いだのを聞けばぴょんぴょんと木に登る。
嬉しそうに子供たちは庭へと飛び出して、久しく近づいていなかった木に触れてはエレンが降りてこないだろうかと下で呼んでいた。
グレタは、小さな子供たちを久しぶりに近くで見れてそれはそれは幸せそうな顔で笑っていた。
そんな笑顔を見て、シェリーも嬉しそうにブランコに揺られている。
エレンは尻尾を振りながら、屋根の上に座っているフィンに目配せをして、フィンは親指を立ててエレンの功績を称えた。
「いやー、我ながら良い使い魔だわ」
満足そうにフィンが笑ったのもつかの間。
「止めなさい!その木に近づいちゃダメ!」
「なんで?」
「おばあちゃんがこの木の所為で死んじゃったの忘れたの!?」
シュン、と項垂れて子供たちは渋々部屋へと戻っていった。
閉じられたガラス戸はカーテンまで閉められて、グレタとシェリーもシュンと項垂れた。
フィンとエレンが降りてきて、閉じられたカーテンをため息混じりに眺める。
「マイナスだったかしら…ごめんなさい」
「いえいえ、そんなことないんですよ。久しぶりにこんな近くで子供たちを見れて幸せでしたわ。前まではこんな小さかったのに、もうあんなに大きくなって……子供の成長は本当に早いですわね」
手の平で子供たちの身長ほどの高さを作りながら、グレタはニコニコと笑っていた。余程子供が好きなのだろう。
だがしかしこれで決定的に、子供が近づくことはなくなってしまった。
そして、悩む日々が続くものの、特に切り取られる様子もなく過ぎていたある日。
家主が街人を呼んでこの木を切り落としてもらうように頼んだという情報が入った。