月読の姫宮
いつだったか。
勘付いてしまった。
自分は父上(太政大臣)の子ではないのだと。
先帝の……白虎院の子なのだと。
理屈は無い。
ただ、白虎院の瞳の奥の陰りに気づいた途端、見て(透視して)しまった。
「私は皇女だったのね。」
ホロリと涙が零れ出す。
姫は泣き崩れるように、膝をついた。
幼い頃から、見えて(透視して)しまう。
それは自分の意思関係なく。
何故なのかわからない。
ただ、月読の姫と私をそう呼んだ人物は知っていたのだと想う。
だから、私を最初に「月読の姫」と呼んだ人物を探している。