僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ
「勝手に死にやがって……クソが」
グシャッと前髪を掻き上げて、歯を食い縛った。
溢れる涙が、風を受けて温かさを失う。それが地面に染みを作ったのを見て、俺は目を覆った。
地面に流れる真っ赤な鮮血が、脳裏に浮かんだから。
「……っ……ごめん……」
謝ったって、許されはしないけど。願ったって、アンタは戻ってきはしないけど。神様なんて、信じてはいないけど。
謝らずには、願わずには、いられないんだ。
俺が、殺したから。
俺が、弱かったばかりに。誰かを守れるほど、強くなかったばかりに。
闇夜を照らす唯一の光を、俺がみんなから奪った。
「……ごめん。何も、返せなくて……」
――俺は絶対、忘れたりしない。出逢った日も、共に過ごした日も。俺に、居場所を与えてくれたあの日々を。
できそこないの俺を、初めてひとりの人間として見てくれのは、アンタだったのに。
ごめんな、ヒカリ――……。