僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ
「まあ、簡潔に言うわな。……お前が中3の時、威光を再建したことは知ってた。お前の外見も、仕事のやり口も、ヒカリそのまんまだってことも。お前が威光を利用して、復讐を考えてたことも、知ってたよ」
「……っ」
「あー! ハイハイ、謝んな、黙れ。落ち付け。黙って聞いてろ」
言いかけた謝罪は遮られ、俺は上げた顔を再び前に倒す。
知ってたって、なんで……。
調べてたのか?
あの街にいたのか?
でも、だって。ヒカリが亡くなってから、一度も姿なんて見かけなかったのに。
「謝るのは、俺らのほうなんだよ。ずっと、ずっと逃げてたのは、俺らだ。ヒカリが亡くなって、俺らは絶望して。行き場のない感情を全部お前にぶつけてた。お前も、お前の親父も、憎んだよ」
じわり涙が浮かぶ。
当たり前だ。それでいいと思っていた。それなのに、いざ直接言われると、ひどく胸が痛んだ。
「でも、お前が威光を再建したって分かった時。日に日に外見がヒカリに近くなって、がむしゃらになってるのが分かって。……俺は、何してんだと思ったよ。祠稀が、誰よりもいちばん自分を責めたんだろうって。ヒカリが落ちてすぐ、ビルから飛び降りてきた祠稀を、この目で見たってのに……つらかったのは、祠稀も同じだろって」
……違う。やめてくれ。そんな、
「2年間、ほっといて悪かった」
そんな簡単に、赦されていいわけないのに。