僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ


「……悪かった、本当に。あの状況でお前をひとりにしたなんて、俺らは最悪だ。お前が、復讐することでしか生きられなかったのも、俺らのせいだ」



――確かに幸せだったあの瞬間。


あの日々を共に過ごした仲間に会えなくなったのは、どうしようもなく悲しかった。


ヒカリと共有した時間を、分かりあえる人間は俺の周りから消えて。


それは俺がヒカリを殺してしまったからだとは分かっていた。


誰ひとりとして俺の前に現れなかったし、みんな、俺に会いたくないんだろうと分かっていた。


慰められたいわけじゃなかった。


お前のせいじゃないと言われるよりも、怒りをぶつけられたほうがよかった。


でも、責めて欲しくても、誰もいなくなって。だから、自分で自分を責めた。親父を、憎むしかなかった。


あの街で俺だけは、覚えていようと。たったひとりでも、忘れはしないと。


ヒカリの在った威光を、一生忘れないように。



「……祠稀、ごめんね。……泣かないで。ごめんね、ひとりにして、ごめんね……苦しめて、ごめんね……」


もう、喋らなくていい。謝らなくていい。そう言いたくても、涙が邪魔をする。


脚に縋りつくユナも、きっと俺を見てるリュウの顔も、見ることができない。
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