僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ


部屋から出るとリビングもやはり薄暗く、寝起きの体には厳しい寒さが蓄えられていた。


暖房機買わなきゃなぁ。


近付く冬の必需家電を頭に思い描きながら冷蔵庫へ向かう。


作り置きしているココアをマグカップに注ぎ、レンジで温めてる間、祠稀の部屋を眺めた。閉じられたドアが、どうしようもなく寂しい。


……困った。本当に、まさかここまできてるとは思わなかった。


あたしの、尋常じゃない寂しがりが厄介極まりない。


こんなんで、やってけるのかと思うほど。あたしはいつも家のどこかで、祠稀の姿を探してる。


だって、いつかまた帰ってくるんじゃないかって思わずにはいられない。


まだ祠稀の物がこの家にはいくつもある。キッチンにもリビングにも、洗面所にも、祠稀の部屋にも。


祠稀も有須も彗も、あたしにとって個々に大事な人だ。


でもそれ以上に、4人でいることが何よりも重要だったんじゃないかと思った。


「……痛……」


ズキ、ズキ。

頭なのか、胸なのか、もう体中が痛い気がする。


安心したい。
あたしは、ひとりではないと。


「……違うか」


ひとりにしてほしくない。あたしを求めてほしいんだ。強く、強く、誰よりも何よりも、あたしを求めてほしい。


……これはもう、病気だ。

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