僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ


「……淫乱」


ボソリと呟いた言葉は嫌悪感しか与えない。


それでも止まらない淫らな欲望は、あたしの体を埋め尽くす。あたしの荒れる心を、宥めてくれる。


祠稀まで巻き込んではダメだと思うのに、それでもいいと思うあたしがいる。


そんな自分をどこまでも嫌えそうだ。



答えがあるなら教えてほしい。


どうすれば、あたしは愛されるの。


どうすれば、“サヤ”を忘れられるの。


あたしはいつもいつも、考えてる。答えの出ない自問自答を繰り返して、あたしは今日も笑うんだ。


大切な人に囲まれて、本当に心から、幸せを感じて笑う。


でもその囲いを作りあげたのは、あたしだ。


あたしと“サヤ”を分け隔てるために作った囲いは、いつまで保たれるだろう。



たくさんの思い出を、焦がれ続けた日々を、あたしは黒く黒く、塗り潰す。


彗に依存して、周りに依存して、いくつもの夜を、啼いて過ごす。


人はあたしを、哀れだと思うだろうか。


愛されたい人に愛されず、愛してくれる人をそばに置いて離さない。人に依存しなければ生きていけないあたしを、滑稽だと笑うだろうか。


それでもあたしは、笑い返せる。だからなんだと、笑い飛ばせる。



何にも依存せずに生きていける人間が、いるはずない。




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