僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ
「……っ、」
ビクッと体を跳ねさせると、両脚の付け根の中心を弄っていた手が止まる。スッと中心を撫で上げられれば、甘い痺れが蘇った。
幾度も、幾度も、もう無理と思っても、情欲は湧き上がる。
「……復活。ほら」
くすくすと笑いながら、濡れた自分の手をあたしに見せる変態。荒い息を整えながら睨むと、耳朶を軽く噛まれて囁かれる。
「名前、呼ばないの……? 凪」
……呼ばれたいの?
セックスの最中に名前を呼ばれて興奮するなんて、女だけの気もするけれど。
「……変態」
「ははっ。凪には言われたくないな」
それもそうか。あたしも、変態の部類に入るに決まってる。
「……サヤ」
「……うん?」
「サヤ」
「うん。俺に、何してほしい?」
ああ、つくづく嫌な男だ。
それでも、それでも。あたしはまだ、サヤを求め続けている。
彗はこんなあたしを、どうして見離さないんだろう。……なんて、自分で縛り付けといてよく言う。
「……凪? 泣いてんの?」
瞼にキスを落とされて、冷たくも熱くもない涙が頬を滑る。
この涙と一緒に、サヤへの想いも流れてしまえばいいのに。抱かれるたび、想いは募る気がしてならない。決して、口にはしないけれど。
「……サヤ……」
「うん?」
「壊して……傷つける勢いで」
激しく、荒く、壊してしまうくらい、乱暴に刻み込んで。
あたしの、罪を。