僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ
「うちでご飯食べれば?」
暫く他愛もない話をしていると、チカが『お腹空いたから帰る』と言うので家に誘った。
でもチカは首を縦には振らず、携帯を弄りながら笑う。
「遠慮しとく。ちょうど呼び出されたし」
「じゃあ、メアド教えて」
ずいっと携帯を差し出すと、チカはポカンと口を開けた。と思ったら、笑い出す。
「はははっ! な、なんで……! ほんと変な人っ」
「なんでって! ふつうじゃん!」
2回会って、2時間も話し込んだら友達でしょう?
ククッと、本当におかしそうに笑うチカに頬を膨らませると、黒い携帯が差し向けられる。
「夜はほとんど連絡取れないと思うけど、それでもよかったら」
「っうん!」
携帯画面に、チカのデータが送られた証。すぐに登録して、メアドと番号を眺める。