僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ
「……何見てんの、お兄さん」
辿り着いた場所には、7人の男たちと、地面に倒れているふたりの男。
ネオンの光が微弱にしか届かない路地裏は、活気付く街とはまるで正反対だった。薄暗く、人通りもない。
「ねー。何黙ってんの? 聞いてますかー?」
地面に倒れる男の背中を、踏み付けたまま話しかけてくる男の手には、財布らしきものがあった。
鋭い視線を向けてくる7人の男たちは、たいした怪我もない。倒れてるふたりは見るも無残な姿なのに。
俺はいたる所に視線を張り巡らせ、状況を把握してから口を開いた。
「……あなたたちが、闇夜の威光?」
空気が一瞬で張り詰める。
それが、答えだった。
「リーダーは、どこ?」
会わせてほしい。祠稀じゃないなら、それでいいから。
財布を手にする男から目を離さずにいると、その男は踏んでいた男を蹴飛ばした。
小さな呻き声と、威嚇するような瞳にすら、俺は反応できない。