僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ
「なんだお前。俺らが誰だか分かって、近づいてきたと思ったら、今度はリーダーだ?」
「何々? 威光に入りたいとか言うわけ?」
「残念だけど、無理っしょ」
「ヒョロいし、弱そうだしなぁ」
口々に言う男たちに、嫌悪感が募る。
そんなことを聞きたいんじゃない。俺が知りたいのは、リーダーの、居場所だ。
「俺らにボコられる前に、帰ったほうがいいぞ?」
威圧するように1歩近づいてきた男たちを、俺はただ見つめ返した。
こういう状況に、俺はどうして恐怖という感情を持たないんだろう。
このまま囲まれて、殴られるのかな。そう思った時、突然奥のほうからヒョイと出て来た人影に、目を見張る。
……いつからいた?
「お兄さんかぁ……。最近、僕たちのこと聞いて回ってる人って」
黒いパーカーを眼深に被った、決して大きいとは言えない男。その声に、驚いた。