僕等は彷徨う、愛を求めて。Ⅱ
「もしかして、さっきの人、友達……?」
「そんなんじゃねぇよ」
目を見て言ったのに、チカは疑うように俺を見てから「ふぅん」と目を伏せて笑った。
ズキズキと、胸が締め付けられるように痛む。罪悪感なのか、なんなのか、分からない。
チカに対する? それとも、彗たちに対する?
……罪悪感なんかじゃない。この胸の痛みは、中途半端な俺に対する、己に対する嫌悪感。
俺は、彗を瞳に映した時、真っ先に何を思った?
何でここに彗が。そう、思った。
ふつうなら容赦なく殴ってやった。大事なものを傷つけられたのに、俺は動揺した上に、言いわけまで考えようとした。
「ねぇ、祠稀」
チカが、倒れていたのに。ボロボロになりながら、拳を握っていたのに。
「……なんだよ」
俯くチカの額に手を当てると、チカはゆっくり顔を上げた。