年上の先生
「子供は出来なくっても、
静と一緒に暮らせるだけで、
俺はありがたい気持ちを
忘れてはいけないんだな。」

俺は写真に向かって、
前の妻に囁いた。

そして前の妻の写真を
全て燃やす決意をした。

いつまでも、残しておく俺が、
自分で心の隙間を作って
しまったのだ。

俺は燃えていく写真に
向かって囁いた。

「ありがとう。」

その一言しか出てこない。
本当はもっと言葉が、
合った筈なのに出てこない。

けど、心がスッキリした気分で
深い眠りについた。

俺はもう迷わないと、
決意を改めた。

・先生サイド終わり・
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