Happy Road
ガラッ・・・・・

「英菜ちゃん…?」

保健室のドアを開けてみても返事がなかった。

そこで、ベットをのぞいてみた。

すると、英菜ちゃんがすうすうと寝息を立てて寝ていた。

可愛い寝顔だったけど今はそんなに見とれている場合では

ない

そう思い、悪い気もしたけど英菜ちゃんを起こした。

「う・・・・・ん・・・・・?」

目をこすりながら寝返りを打つ姿は誰から見ても可愛かった。

・・・・しかし、寝返りを打ってからまた寝てしまったので

むにゅっ・・・

と、ほっぺをつまみ、今度こそ起こした。

「う・・・?由君どうしたの」

英菜ちゃんは俺につままれたほっぺを押さえながら

目を丸くして言った。

俺はあの事を言おうとした。

言わなきゃいけないことなのに言葉が出なかった。

「・・・・・」

そんな俺を見て不思議そうに英菜ちゃんは

「由君…?」

と顔をのぞかせた。

俺は、心を落ち着かせ、

「さっき・・・・」

さっきあったことを話そうとした。

しかし、その言葉は鈍い音で遮られた…

ドカッ……

頭の後頭部にものすごい痛みが走る。

俺はその痛みに耐えきれずその場に倒れた・・・

そのとき、川田の笑い声が聞こえたような気がした・・・
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