Happy Road
…英菜・・・

ドサッ・・・・・

由君が倒れた。

その後ろには千佳や他の男子など10人ほどが

ニヤニヤしながら立っていた。

千佳の目は濁っていて光を失っているように見えた。

一人の男子は金属バットを持っていて、

それで由君を殴ったと、あたしは感知した。

あたしは何も言えずに由君と千佳たちを交互に見ていた。

どうして・・・・・?

あたしはそう思うことしかできなかった。

すると千佳が突然

「あーあ・・・かわいそうに」

と、大声で言った。

急に大声を出されてびっくりしたけど、

そんなことおかまいなしに千佳は言いつづけた。

「あーんたのせいで由君がこんなことになったんでしょ~自覚しろよ~」

…グサッ・・・・

胸に突き刺さる言葉。

あたしのせい・・・?

あたしがいたから由君はこんな目にあってるんだね…

頭がくらくらしてきた。

千佳はあの時の電話の声より低く、憎しみをこめた

声になっていた。

態度もまるで今までと違う。

私は声を絞り出すように

「どうして・・・・・?」

ぽたっ…

涙がこぼれた。

由君が殴られて気を失っていること、

千佳がこの間言った言葉がすべて嘘だったこと

由君がこうなったのもあたしのせいだということ・・・

全てが悲しくて・・・・・

「何泣いちゃってんの~」

千佳があたしを侮辱し、きゃはは!!と

笑い始める。

それにつられて他の人も笑い始める。

あたしがどんなに辛いかもわからないのに

笑っている千佳を見て

あたしは心底憎い人だと感じた。

結局由君の好きな人を知ることはできなかった・・・

そのあと、千佳に蹴り飛ばされて終わった…

しかし、由君は病院に運ばれ、

あたしが付き添うことになったのだ…

そのときも、今も

あの時の心の傷は・・・・消えない。
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