Happy Road
―出会い―
『zzzzzz…』

ここは、公立の幸羽(さちばね)中学校。

今、寝ているのは河村英菜(こうむらえな)は今年入りたての中1。

英菜は、昨日『恋空』のマンガを一気読みしたため、SHRと言う超めんどくさい時間、爆睡していたのだ。

小さい頃から仲の良かった友達とも離れてしまい、知ってる人が少なく、退屈をしていた。

  …バンッ!!

「遅れてすいません!」

とうちのクラスでも、学年でも見たことのない男子が息を切らして叫んでいた。

バンッ!!と言う音のせいで起きた英菜は目をショボショボさせながら、体勢を整えようとしたとき…

『キャーーーーーー!!!!』

クラスの女子ほとんどが黄色い声をあげた。

その男子は、顔が整っていて、スタイルもいい。

そのため、イケメン大好き女子たちが目をハートにして目線を男子に向けている。

せっかくのお眠りタイムを邪魔された英菜は(うるさー)と思いながら、カバのように大きなあくびをした。


「えっーと、やっと来た川原由(かわはらゆう)だ。ドイツからきたそうだ。」

と先生があっさり言うものだから英菜はびっくりしてガバッ!と起き、川原くんの言葉に耳を澄ませた。

「ドイツから来ました。川原由です。よろしく。」

川原くんは爽やかにそう言った。

相変わらず女子は(あたしも女子だけど…)目がずーっとハートになっていた。

「では…席は河村の隣な。」

そういって先生はあたしの隣の席に案内した。
朝からそこがあいていたのでおかしいな~と思っていた。

女子はいいなあ~と言う目線を送ってくる。

     ガタッ!

川原くんは、席に座ってからあたしに声をかけた。
「よろしく…。」
『あ!!よろしく。河村英菜です!』

あたしがそういった後、川原くんは少し考えてから…

「じゃあ…英菜ちゃんって呼んでもいいかな?」と言った。

あたしはその言葉になぜかグサッ!ときてしまい、つい…

『キュン死…』と言ってしまった。

「えっっ?????」
無論、川原くんはびっくりしている。

はっ!と、我に返…

『いや…!!なんでもない!いいよ!

じゃああたしは……由くんって呼ぶね!』 と言った。


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