Happy Road
私は頭が真っ白になりながら、

由君を見た。

由君は…笑っているのかな…??

そう思い顔を向けると…

ガッ…

由君が千佳の胸倉をつかんだ。

その力はかなり強いらしく、千佳は浮いている。

由君はどすの効いた声で

「川田…今のはわざとだろ…」

「え・・・・・・」

初めて聴く声に戸惑いを隠せずにいる千佳。

そんな千佳にもお構いなしに

「耳聞こえね~のかよ今のはわざとだろっつってんだよ」

由君は怒鳴った。

一瞬にして教室が静まる。

先生も固まってしまっている。

千佳は怒鳴り声にひるまず

「わざとだったら何…?」

と、半笑いで言った。

すると由君は

「お前はただ単にこいつの悪口をみんなに言って友達にあーしろこーしろって…自分では何にも出来ね―くせに・・・・自己中もいい加減にしろよ」

千佳の胸倉をつかみながら今にも殴りそうな勢いで

言った…。

あたしは何が起こったかまったくわからなかった。

思考力がなくなってしまった気分だ。

ふっ・・・っと気が抜け、頭がくらくらしてきた。

目の前が黒くなっていく…

瞼が落ち、その場に倒れこむのを感じたあと…

意識を失った。

バタンッ………

由が音のするほうに目を向けると…

英菜が倒れていた。

由は千佳を放り投げ、英菜に近寄った。

顔が真っ青で起きる気配がない。

「英菜ちゃん英菜ちゃん」

試しに呼んでみても起きない。

「くそ・・・・・」

由はそう呟き、一人で保健室まで英菜を運んだ。

教室から出るとき、千佳をにらみながら…

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