Happy Road
「・・・・・・・?」

灰色の天井が見えた。

静まった部屋。

・・・ここは保健室だ。

誰かが連れてきてくれたのだ…

「英菜ちゃん」

隣を見ると由君が椅子に座っていた。

由君があたしを運んでくれたようだ。

「・・・由君ありがとう・・・」

あたしはそれだけ言った。

それしか言うことができなかった。

「ううん。貧血だって。安静にしてろって言ってた。」

由君は心配した顔で言ってくれた。

「そっか・・・」

あたしがそう返事をすると由君は椅子から立ち上がり、

「じゃあ・・・戻るな…」

そう言って出て行こうとした。

あたしは反射的に由君を呼びとめた。

「ちょっとまって・・・」

「な・・・・・なに・・・?」

「ううん・・・・ごめん・・・何でもない…」

あたしは顔を隠すようにうつむいた。

千佳に知られたくなかったからだ。

由君は不思議そうに首を傾げてから

「なんだ~じゃあな!!お大事に!!」

そう言って保健室を出て行った。

由君が出て行った後、ベットから出て窓を開けた。

誰もいなかった。

あたしが、さっき由君に告白しようとした時、

窓のところに影が見えた。

影の正体は絶対千佳だ。

髪型から何から何まですべて千佳と同じだった。

だから・・・千佳に聞かれたくないから

告白するのをやめた。

「・・・・・」

あたしは窓の隅から隅まで見た後

ベットに戻り、放課後までずっと眠り続けることにした。

しかし・・・このあと英菜にさらなる悲劇が…。
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