空をなくしたその先に
こうなっては、応戦するしかない。

艦橋へ駆け込むと、ビクトールがすでに命令を下し始めていた。


「戦闘機部隊発進!

ダナとヘクターも出るように伝えろ。

応戦準備もぬかるな」

「撤退、間に合いませんでしたね」

「たく、どっから情報が漏れたんだ。

まあいい。

先方から出てきてくれたというなら、全滅させてやるだけのことだ」


いらだたしげに舌打ちして、
ビクトールは壁をたたいた。


「サラ、作戦変更。

防御陣を展開する。

敵さんはたいした武器は持っていないだろうからな。

敵軍用艦の撃墜は戦闘機部隊に任せるさ。

俺らはこっちに来た戦闘機だけを相手にしてりゃいい」

「団長……何かひっかかりませんか?」


ためらいがちにサラは口を出した。


「普通の空賊なら、アーティカを相手にしようとはしないでしょう。

どこかの傭兵団と結びついていたりする可能性は?」

< 115 / 564 >

この作品をシェア

pagetop