空をなくしたその先に
「そんな情報があれば、噂くらいは入ってくると思うんだがな。何か聞いているか?」

「いいえ」


サラは首をふる。
噂が入ってこないとはいえ。

アーティカが待ち伏せをされていたという事実は、
打ち消しようもない。

用心に用心を重ねてもいいような気がした。


「どっちにしろ、先手を取られたことには変わりがないからな。

さて、敵さんはどう出てくるか、だが」


ビクトールが、状況を確認しようとした時だった。

前を飛行していた軍用艦が、炎をあげて、二つに折れた。

ついでリディアスベイルも揺れが襲う。


「どこからの攻撃だ!確認しろ!」


机にしがみついてビクトールがわめいた。


「下です!やつら下から来ました!」


ビクトールはうめいた。

たかが空賊相手にこちらの進路を読まれ、待ち伏せされた。

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