空をなくしたその先に
「やだ、ウィンドウ閉め忘れちゃった」


強化ガラスのウィンドウが降りてくる。

強風から目と髪を解放されて、ディオは胸をなでおろした。

前方からやってきた小型機二機のパイロットが、
ダナに親指を立てる。

すれ違う一瞬の間に、
合図を返してダナは言った。


「あれ、救助部隊」

「君たちは、いったい……」

「アーティカって言ったらわかる?」

「噂は聞いてるけど……」


古文書に記された、太古の文明の遺産。

今よりはるかにすすんだ技術力を持った古代人たちは、
フォースダイトを加工し、
空飛ぶ島を作った。

伝説によれば、飛行島での生活を許されたのは、
特権階級とそれに仕えた人間だけだったらしい。
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