空をなくしたその先に
「ところで、俺はどのくらい寝ていたんだ?」

「三日間です」


思っていたより長かったようだ。

ビクトールは自分のことをひとまずおいて、部下のことをたずねる。


「それで……戦闘機部隊のやつらはどうした?」


サラの表情がくもった。


「私が合流する前に、救助は開始していたのですが……」


半数は自力で戻ってくることができた。

さらに残された半数の半数は救助できた。

残された四分の一は。

遺体すら発見できなかった者も多かった。

ビクトールが一番気にかけているであろう二人の消息を、サラはゆっくりと口にする。


「ダナは救助できました……。

重傷を負っていて生き延びることができるかどうかはまだ不明ですが」

「……そうか」

「ヘクターは……」


一瞬、息を飲んでサラは続ける。
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