空をなくしたその先に
よりそうようにして倒れていた二人を見た瞬間、真っ先に連想したのは、

ダナの両親を発見した時のことだった。

あの時も同じように、ハーリィがオリガをかばうように倒れていた。

見たくはなかった、十年前と同じ光景。

損傷の激しい機体を不時着させるまで、ダナはどれほど苦労したのだろう。

機体の状態が完全なら、まだ別の手段だってあったはずだ。

フォースダイト搭載機なら、不時着するにしても他の機体よりはダメージを減らせたはずだ。

それでも、地面に激突した機体は、激しい炎をあげた。

体中火傷を負い、何カ所も骨折していた二人。

はじめは、二人とも死んだのかと思った。

ダナが生きていると知って、どれほど安堵したことか。

容態は予断を許さないものであることは、間違いなかったが。


それでもいい。

ただ生きていてくれただけで。
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