空をなくしたその先に
長い話の間に、炎は小さくなっていた。

最初から、それほど大きな火を起こしていたというわけでもないけれど。


「ひ……冷えてきたね」


長い沈黙の後、ようやく口から出すことのできた最初の言葉はそれだった。

自分でも間が抜けていると思わざるをえないのだが。


「あんたって……ホントにぼんぼんなんだから!」


ダナの顔に血の色がのぼる。

はじかれるように立ち上がったダナは、

ぐいと目のあたりをぬぐって、
毛布を二枚ともディオに投げつけた。


「さっさと寝なさい!

明日になったら、この島を抜け出す算段をしないといけないんだから!」


たたきつけるように言うと、ダナは炎を挟んで反対側に回り、
石の壁にもたれるようにして座り込んだ。

投げつけられた毛布を手にして、ディオはダナと毛布を見比べた。

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