空をなくしたその先に
ミーナの瞳が夢見る乙女のそれになる。

それはほんの一瞬で、すぐに現実に帰ってきて、冷静な問いをディオに向ける。


「で、これからどうするの?」

「どこか適当な場所まで船で出て、そこから陸路……

汽車でマグフィレット王国まで行こうと計画しています。

王都には知人がいるので、そのつてをたどって、仕事を探せれば、と」


このあたりの話はダナには答えようがない。

彼女がスープの皿を空にしている間に、ディオは地図を広げてミーナと話を続ける。


「それなら、一度マーシャルに行くのがいいかもね。

マーシャル行きなら明日の朝、定期便が出るわよ」


ミーナの指が、地図の上を滑った。

センティアとマグフィレットの間に挟まれている別の国の名前をあげて、位置関係を説明してくれる。


「マーシャルはまだエトルニア領内だけど。

少し行けばマグフィレット領内に入ることができるし……。

汽車だとどのくらいかかるか、私は知らないけど」
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